のんびりパート主婦日記 ときどき断捨離 ときどきアウトドア

ブランク10年で事務パートについたのんびり主婦の徒然日記

ある男の死

昨日久しぶりに実家の母からメール。 なんだろうと思ったら、近所のNという男性がだいぶ前に亡くなっていたという。

このNという男性は、もう20年以上前も前に私が一、二年勤めていたところの上司であった。 私が二十代前半の時に40位の中年独身で、家が近所ということもあり、ついでだから車で送るよだの、食事に行こうだの、結構しつこく、仕事仲間からも嫌われていた。 辞めてからは、縁も切れすっかり忘れていたのだが…

Nの弟は結婚して遠方に住んでおり、昔中学校の先生をしていて当時年金暮らしだった両親と同居していた。 国産セダンの高級車に乗り、いつもその車が狭い自宅の駐車場からだいぶ道路にはみ出してとまっていた。 やがて年老いた父親が脳梗塞で倒れ、リハビリでNの母親が身体を支えて近所を散歩するのを何度か目にした。 何年か前にその母親が急死したとうわさで聞いた。 その後はNが父親の介護をしていると。

昨日の私の母からのメールによると、Nはアルコール依存症になり急死したらしいと。

何というか… 好きにはなれないタイプだったけれども、そういう最期と知ると、何かとても後味の悪い思いがしてしまった。 本人のせいだけではないのでは。

社会の構造が抱える問題の縮図のように思えてならないのだ。 適齢期に結婚しなかったのは本人の選択だったとして、その後おとずれた会社の倒産や母親の死、父親の介護と孤立、そしてアルコールへの依存。

そういう人生はさぞや不本意であったろうと、訃報を聞いてやるせない気持ちになった。

突然の失職、介護、孤立…誰に降りかかってもおかしくはない。 危機意識を忘れず、そんな逆境の時にアルコールや薬物などに依存しなくて済むよう、人間関係や心の持ち方に日頃から気を配りたいと思った。

特に男性が一人で介護をすると、孤立しやすいと聞く。人を頼れるよう、夫を今から教育しなければ、とも思った。